さよなら・夏休み
ブルー、オレンジ、ピンク、パープル、テーブルの上に散らばったライター。
ライターを良く失くす私は沢山持っている。
今日はどれで火をつけようか?
お気に入りのお香を焚いて10分前に飲んだ睡眠導入剤が少し効いてきた頃に煙草を吸う時間が1日の内で最も至福の時間だ。
薬が回って思考が回らなくなり、何も考えずに済む(というか何も考えられない)時間はとても心地良い。
合法とは言えど薬遊びだ。ダサい。サイテーだ。
家賃4万円、お世辞にも綺麗とは言えないこの部屋も昭和のアイドルを流すと少しだけ輝く。少しだけね。
「このままお伽の国へ連れてって」
そう歌う彼女は自死してしまった。
何が欲しいか分からない。
デパートコスメ売り場に行ってもキラキラしているけど何を買えばいいか分からない。
私の不安定は物でも人でも埋められない。
かといって自分を傷つける事も虚しすぎる。
北海道では39度だったらしい。こんなに暑いのにファーがいっぱい施された冬服が着たくて仕方がない。
明日は病院の診察の日だ。
目標の体重までクリア出来ているか主治医と父の前で体重を計る。
嫌で嫌で仕方がない。
子どもの頃「朝の子ども劇場」を毎日見ていた。特に地獄先生ぬ〜べ〜が好きで「ダイダラボッチは私の虜!」という話が一等にお気に入りだった。
ダイダラボッチがミキの思い通りに街を変えてくれて「こんな学校なくなっちゃえば良いのに!」という願いを叶えるものの反省したミキの心を察したように街を元に戻してくれるのだ。
私にもダイダラボッチが現れて何とかしてくれたら良いのに…なんてね。
今年でぬ〜べ〜と同い年になってしまう事に恐怖を覚える。
少し眠くなってきた。今日は怖い夢を見なければ良いな。
おやすみなさい。